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書道筆は家のどこで洗うのが最適なのか

書道筆は家のどこで洗うのが最適なのか

(墨で汚さないための工夫とは。)

書家

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片岡 青霞
プロフィール


 書道をはじめてから皆が思う悩みの一つに、書道用具(筆や硯)は家のどこで洗えばいいのかという問題がある。たとえ書道教室へ通っていなくても、小学三年生から誰もが学校で書写の授業があるため、全員に関係する内容のこととなっている。学校では授業の後に洗い場で筆を洗うこともできるかもしれないが、自宅ではどこでもいいというわけにはいかない。家で洗うとなればある程度場所が限られることにはなるが、果たして多くの方々は家のどこでどのようにして書道用具の手入れをしているのだろうか。今回は、自宅で書道用具を洗う最適な場所について紹介してみたいと思う。

現代の家はキレイすぎる問題

墨で自宅が汚れるのを避けるため、お習字はできれば学校や教室のみでおこなってほしいと考えている保護者の方もいる。photo by Pexels

 書道用具を家で洗うとなったときの一番の問題は、墨で汚れてしまうということであるかと思う。家中を汚されるのは誰もが避けたいと思うはずである。しかし、用具を家で洗わないと筆や硯が長持ちせず使用できなくなってしまうため、洗わないという選択肢はまず考えられない。メンテナンスの意味でも必ず用具を使用した後には、綺麗に洗うことは必須となっている。

わたしは幼い頃に書道教室へ通っていた。帰宅してから書道用具を自宅のどこで洗っていたのかといえば、毎回お風呂場で手入れをしていた。今から40年以上前に建てられた昭和な家のため、お風呂の床はタイルになっている。夏はひんやりと冷たくて気持ちがいいが、冬は極寒の足元となっている。タイルは白ではなく濃いブルーだったため墨が残ることもなく綺麗に流れるためほとんど汚れることはなかった。仮に少し残ったとしてもスポンジで軽く2〜3回擦る程度で綺麗になる。昔のお風呂の床が全てタイルにはなってはいないと思うが、我が家はたまたま目立たない色味のタイルであったことは、書道用具の手入れをするのに最適な場所であったと言える。お風呂場のいいところは、お湯も使用できるところである。書道用具は、水ではなくぬるま湯で洗うほうが墨のおりが良いため、最適な洗い場であったと考えている。
しかし、現代においてはそうもいかない。時代の変化とともに家の構造も変わっているため、お風呂場の床がタイルになっているところは少なくなっている。今の家は昔に比べて圧倒的に綺麗すぎるため、墨で汚されるのが嫌で洗える場所がない問題が発生している。

家の中で、筆を最適に洗える場所はどこなのか

汚れがひどいもの(服・靴)は自宅の中で洗うのではなく、外である程度洗ってから家の中へ持ち込んだほうが家の中は汚れずにすむ。書道筆も同じ部類になるのだろうか。photo by PhotoAC

 家で書道用具を洗える場所といえば、洗面台、お風呂、キッチン、屋外水栓のこのどれかしらになるかと思う。綺麗に洗うために、できればぬるま湯が使用できるところと考えると屋外水栓以外が適切になってくる。書道用具は、とりあえず洗えればそれでいいという考えであれば家の中で墨を洗うよりも外で手入れしてもらったほうが適切かとは思うが、あくまでも用具はただ洗えばいいということではなく、綺麗にメンテナンスをして長持ちさせることを念頭においていることをご理解いただければと思う。

総合評価メリットデメリット
キッチン
(ステンレスシンク)
・広さがあり洗いやすい。
・ぬるま湯が使用できる。
・筆洗い後の掃除は、やわらかいスポンジで軽くこするだけで綺麗になる。
・シンクの中に食器がある場合は、先に食器を洗浄してからおこなう必要がある。
洗面台・広さがあり洗いやすい。
・ぬるま湯が使用できる。
・洗面台の墨汚れは、時間が経過すると固着し落ちにくくなるため、使用後はクリームクレンザーなどでの清掃が必須。
お風呂・広さがあり洗いやすい。
・ぬるま湯が使用できる。
・カーボン粒子が床の凸凹に入り黒くなる。ハイターやオキシクリーンなどのつけ置きや擦り洗いに時間がかかる。
屋外水栓×・汚れているものを外で洗うことができる。・天候に左右される。
・ぬるま湯が使用できない。

4つの場所で書道用具を洗う際のメリット・デメリットを一覧にしてみた。あくまでも通常サイズの筆や硯を洗うためのものとなっている。例外として、大作用の巨大な筆をお風呂の浴槽で洗っている人の話を聞いたことがあるが、想像以上にお風呂場が悲惨な状況になってしまったことだけは伝えておきたい。どこでどのようにして洗うかはとても大切なことなのだなと改めて考えさせられる。

墨で汚さないための工夫

汚れが気になる方は、ペットボトルやいらないコップなどで筆を洗い汚水を捨てるという方法がある。墨の飛び散りはないが、綺麗になるまで何度も繰り返さなくてはいけないため流水で洗うよりも時間がかかる。photo by PhotoAC

 上記の一覧表からもわかるように、現代の家においてはキッチンのステンレスシンクが最も最適であることがわかるが、中にはキッチンがステンレスシンクになっていない家もあるかと思う。そのような場合でも、墨の汚れを最小限に抑えて洗う方法をご紹介する。

まず、バケツにぬるま湯を入れその中で用具を洗うという方法がある。このメリットは、周囲に墨の飛び散りを無くすことができるため、掃除が楽にすむことがあげられる。デメリットは、周囲の汚れを最小限にするために汚水を排水口にゆっくり流す必要があることと、同じ作業を何度も繰り返さないとなかなか綺麗にならないため、流水洗浄に比べて時間がかかることがあげられる。筆だけを洗うのであればペットボトルの中にぬるま湯を入れて洗う方もいるが、硯も一緒に洗うことと、筆の根本の墨は自分の手で開いてあげる必要があるため、墨おりを良くするためにもバケツのほうが適切であると考えている。

低学年のお子さんにこの作業はなかなか難しいかもしれないため、最初は親御さんが洗って見せてあげる必要があるかと思うが、少しずつ自分でもできるようになっていただければ幸いである。ステンレスシンクが無い場合には、このような洗い方もあるため是非実践してみていただければと思う。

やっぱり、〇〇〇が一番!

青瑤書道教室の筆洗い場

 書道用具(筆や硯)は家のどこで洗うのが最適なのか。現代の家においては、キッチンのステンレスシンクが最も良いといえる。ステンレスシンクで洗うことが、最も墨の汚れが目立ちにくく仮に汚れたとしても手入れがしやすいためとなっている。また、十分な広さがあることも洗い場としては適しており、ぬるま湯が使用できるため墨のおりも良い。自宅で筆や硯のメンテナンスをするには、ここが一番ではないかと考えている。書道教室へ通っていなかったり、書道に全く興味関心が無い方の場合は、できれば家の中で書道はやらせたくないと考えている方もいるかもしれない。自宅が汚れないように何かしらでカバーをしたとしても、ふとした時に墨が飛んだりして壁紙や床が汚れてしまうことがある。そのため、学校や書道教室でやる分にはいいが、自宅ではやらないでほしいと考えている人もいる。書道が汚れるから嫌いと言われないようにするための工夫は必要であると考えている。

今回は、家の中で書道用具を洗う際に最も最適な場所はキッチンのステンレスシンクという内容をお伝えした。これまで洗い場に困っていた方、または別の場所で洗っていて掃除が大変だった方はステンレスシンクを活用してみていただければと思う。また、家の中にステンレスシンクがない方は是非洗い方の工夫をしてみよう。ご自身の書道用具の手入れをしっかりして長く愛用していこう。

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