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将来、書道のお仕事に就きたい方へ

将来、書道のお仕事に就きたい方へ

(あなたにあった書道の働き方とは。)

書家

書家
片岡 青霞
プロフィール


 書道と一言で言っても実に様々なジャンルのお仕事が事細かに分かれていることをご存知だろうか。 時代とともに需要と供給のバランスは少しずつ変化をし、書道の中にも昔にはなかった新しいジャンルのものや書道のスタイルも生まれており選択肢の幅は広がっている。将来、書道関係の仕事に就きたいと思う方々のために書道関係のお仕事をしたいと思ったらどのようなものがあるのか。 書道に関する様々なお仕事を紹介してみようと思う。

様々な書道のお仕事一覧

 こんなにもたくさんあった書道のお仕事。自分に最も適したものを選択しよう。 photo by photo AC

「将来、 書道関係のお仕事がしたいです。」

 昔と比べれば書道人口は減少しているが、どの時代においても書と向き合うことに情熱を注ぎ書と生きる人生を歩むことを志す人がいる。 日本の総体人口は減少しているのだから、こんなに昔からある古いものをこれからもたくさんの人がやるとは思えないという意見もあるかもしれない。 もっと言えば、これだけ便利な世の中になっているのだから手書きで書くという行為でさえ不要であると唱える人の数も多い。確かに最もな意見であると思う。だが、どんなに時代が進化しても「変わるもの、変わらないもの、変わってはいけないもの」があることは年頭に置いておきたい。 人が自らの手で物をつくることや書くという行為そのものはこの中の一体どれに当てはまるだろうか。人間が本来生まれながらにしてもち合わせているものとして考えると答えにたどり着きやすいのかもしれない。

  将来、書道のお仕事に就きたいというざっくりなイメージがあるものの、実際に書道関連のお仕事というのはどのようなものがあるのだろうか。

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【書道のお仕事一覧】

・保育園や幼稚園での臨時講師
・学童保育
・小中高校の講師
・大学の書道学科専任講師
・介護施設でのレクリエーション
・書道教室開塾
・オンライン教室
・カルチャーセンター講師
・デジタルアート(NFT)書道
・作品制作販売
・デザイン書道
・ロゴ・命名書販売
・パフォーマンス書道
・手本販売
・御朱印
・篆刻
・筆耕
・賞状技法士
・筆跡鑑定士
・書道店勤務
・書道雑誌出版
・書道博物館美術館勤務
・季節限定アルバイト
(デパートお中元、お歳暮、のし書き)

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 書道関連の仕事を一覧にしてみて感じることは、書道と言ってもこんなにもたくさんのジャンルのお仕事があるということである。 もしかしたらもっとあるかもしれないが、どれだけ書道が好きでもこれだけ多岐にわたる仕事を全て賄うことは不可能に近い。そのために、 自分の好きなもの、提供できるもの、スキルを交えて検討することが大切となる。

特別な資格不要でできる書道のお仕事

全ての書道の仕事において資格が必要ということではない。まずは、資格が必要なものとそうでないものを把握することが必要。 photo by Pexels

 多くの書道関連のお仕事には、基本的には特別な資格が必要ない。もちろん教職や専門性がより高いものの分野は除くが、書道における師範も国家資格ではないため書道教室をしている人たちによる師範取得の有無などは一切関係ない。言い変えれば、明日から書道教室をはじめようと思い立ったら誰もが書道教室を今すぐに開塾することができるということである。さすがにそれはないですよね…。と、思うかもしれないが原理上は普通にできるということである。

 町中には、素人さんも混在しているため見極めが必要となるが、その見極めはこれから習おうとするものに委ねられているためいつまでたっても素人さんは生き残ることができる世の中の仕組みは既にできあがっている。たしかに素人さんでも今すぐに書道教室をはじめることはできるが、  書道に関する知識、スキル、技術が全く無い状態では誰よりも本人が困ってしまう。人に何かを教え提供するということは、誰よりも自分が学ぶという約束をまずは自分と交わすことができる者だけが進むべきなのであり、自己研鑽を怠ったり「先生」という言葉に酔いしれる人が居座る場所ではない。物事をはじめてから終わりを告げるまで一生勉学に励むことは当たり前なのであり、自分が伸びなければ生徒は尚伸びない。

 書道関連のお仕事をする上で、特別な国家資格が不要なケースがほとんどとなる。これは、憧れを抱く者であれば誰もが書道関連のお仕事に簡単に参入することができるということを意味するが、どのジャンルにおいても必要な知識、スキル、技術があり継続して学び続けるということは言うまでもない。

自分を知るということ

 数ある書道のお仕事の中から自分に最も適したものを見つけるにはどのようにすればいいのか。 これに関する答えとして、まずはじめに【自分を知る】という作業から取り組んでみてほしいと思っている。この【自分を知る】とは一体どのようなことなのだろうか。

  自分という人間がどのような性格なのか。何者で、何が好きで、何が得意で、何を提供できる人物であるのかをまず把握することが最初の一歩となる。これは“知る”という作業になるが、一般的に多くの人たちは仕事を求める時にいきなり仕事探しからスタートしてしまう。しかし、いきなり仕事から探してしまうと時に様々な不都合が生じてしまうことがある。仕事を探す前に自分という人間を知りその上で自分の適性における仕事に就かない限り仕事をはじめてみたもののすぐに辞めるを繰り返すことになる。順路としては先に仕事を探すことではない。一番最初に取り組まなくてはいけないことはまず自分という人間を知ることにある。仕事を先に見つけたとしても自分の適性がマッチしていなければ不都合や不具合が生じるケースが多くなる。そのようなことにならないためにもまずは自分という人間を知ることである。その次に書道関連の様々なジャンルの仕事の中から自分に最も適したものを選択するという順番が大切なのではないかと考えている。

  例えば、私のケースで言うと。子どもが好きなため10代の頃は保育士の道を志していたが当時は都内1人暮らし。お世辞にも生活は楽だとは言えず昼間働き夜間学校生活を送っていた。進路を決めるにあたり都内1人暮らしの生活を続けながら書道を続け、尚且つ保育士でやっていくという将来のイメージを当時の私は抱くことができなかった。子どもが好き、成長が好き、教えるのが好きなのであれば、保育園でなくても書道という形で提供することができるのではないかと思い現在に至っている。この頃、書道業界全体にスポットが当たりはじめるようになってきており連日テレビなどでもお目にかかる機会は増えたが、大きくフランチャイズ展開をしたいとか有名になりたいなどと思ったことは一度もなかった。むしろ前には出たくなく、あくまでも小さな町中で書に携われたらそれで幸せだった。

 【自分を知る】ということは、とても大切な作業である。 将来、書道関連のお仕事に就きたいのであれば自分という人間を知りその上で書道関連に関するジャンルの選択をしていただきたいと思っている。

起業という選択

パソコンが人一倍苦手だった私は一つの作業をするのにとても時間がかかった。千里の道も一歩から。 photo by Pexels

 書道のお仕事はたくさんのジャンルに分けることができる。 将来、書道関連のお仕事に就きたい方は、まずは自分という人間をよく知り適正を見極めることからはじめてみよう。

 個人で活動をスタートさせる方はこれまで会社で雇われて働いていた形態とは大きく異なり、個人事業主として新しいスタートを切ることとなる。個人事業主になるということは起業するということである。これまで会社勤めをしていたのであれば安定した給料を毎月決まった期日にいただき、会社の方針によって仕事を進め、ネームバリューが支えとなった人もいるかもしれないが個人事業主はそうはいかない。全ての責任を自分が背負うということになる。勿論、起業する上で学んでいかなくてはいけないことは書道関連に関する内容だけにとどまらない。経営、方針、経理、マーケティング、管理などこれまで自分の会社で他の人が補ってきてくれたことを全て自分で決め舵を取ることになる。これまで長く書道には携わってはきたが起業に関することは全くわからない。そんな方がほとんどだとは思うが、個人事業主としてやっていくということはこれらのことも全て別枠として学んでいく必要がある。特にこれまで芸事のみに力を注いできた専門性が高い人こそ起業に関してはほぼ何も知らない。自分も最初はそうだった。

 起業にはメリット・デメリットがある。雇われの形態のままできる書道のお仕事もあるため自分がどちらを選択すれば良いのかを見極める必要がある。どんなことが起こったとしても全ての責任は自分が背負うという覚悟があるのであれば個人事業主をオススメする。逆に、いつも人のせい何か問題が起これば愚痴や文句ばかり口にしている被害者路線まっしぐらな人物なのであれば個人事業主は向かない。自分という人間を知り、自分のスキルや特性にあったものを適切に選択すること。働き方は自分の手で自由に選択する。 将来、書道関連のお仕事に就きたい方は今から腕磨きをしよう。学ばなくてはいけないことややるべきことは無限にある。

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