開催予定の書道展情報をお届けいたします。
また、講師が出品している展覧会や書作品を会場にてご覧いただけます。
展覧会情報
・独立選抜書展2025
令和7年6月15日(日)~6月21日(土)
※16日(月)は休館日
9時半~ 17時半(最終日14時半まで)
東京都美術館
入場無料
・第62回 栃木県書道連盟会員展
令和7年7月18日(金)~21日(月)
9時~18時(最終日16時まで)
栃木県総合文化センター 第1~4ギャラリーABC
入場無料
・第50回 下野の書展
令和7年9月3日(水)~8日(月)
10時~19時半(最終日16時まで)
FKDインターパーク2階大催事場
入場無料
青瑤展2025

令和7年3月20日(木・祝)~23日(日)までの4日間、栃木県総合文化センターにて、第4回青瑤展2025が開催されました。3年に一度の社中展として、児童・大人生徒一同による書作品を展示いたしました。会期中は、青天に恵まれ多くの皆様にお越しいただき、たくさんのお声掛けを賜り誠にありがとうございました。
今回展のテーマは「カエル」です。初心にカエル。フリカエル。書道をはじめた頃の真新しい気持ちを忘れずに心に留め、共に学びさらなる躍進をしていこうということを掲げました。3月の春の季節は、心機一転に相応しく、多くの皆様にとって希望に満ち溢れた新たな門出でもあります。
毎回、作品サイズが大きくなってしまうことから、今回は小筆の漢字多字数書に挑戦いたしました。小筆は1,500円程度のものです。同じタッチで最後まで書き切ることや、空間が狭くなってしまうことに苦しみました。枚数は不明です。
〇出品作品
「一池春水緑於苔
水上花枝間竹開」林和靖
(半切1/3サイズ)
2023年 独立選抜書展

令和5年6月15日(木)~21日(水)までの期間、2023年独立選抜書展が上野公園東京都美術館にて開催されました。開催期間中には、久々のギャラリートークが行われました。会場では展示作品を見て回りメモを取りながら熱心に勉学に励まれている人の姿が印象的でした。
今回の講師の作品は「里」。生まれ育った故郷は自然豊かな地に恵まれ、山、川、森林が広がる美しいところです。鳥のさえずりによって朝目覚めることができることは最高の贅沢です。食や観光地にも恵まれた環境が整っています。派手さは無くどこか控えめなところは県民性の象徴だと思います。素朴で目立つことは無いけれどあたたかさを感じられるような作品感を目指しました。もう一枚、最終的に候補で残った作品がありましたが、そちらの作品は動きのあるものでやや軽さが際立ってしまい、今回自分が目指す作品感とはそぐわなかったため却下としました。制作期間1か月。枚数80枚。
〇出品作品「里」(3×4サイズ)準会員の部
第61回 栃木県書道連盟会員展

令和6年4月26日(金)~29日(月)までの4日間、第61回栃木県書道連盟会員展が栃木県総合文化センターにて開催されました。この書道展は会派など関係なく、栃木県内にて書活動に励む作家一同による書道展覧会です。
今回の講師の作品は「開眼」。この言葉には、2つの読みと意味があります。(かいがん)と(かいげん)です。
開眼(かいがん)とは、よく見えなかった目が見えるようになること。また、眼を開けること。
開眼(かいげん)とは、仏教の真理を悟ること。芸道に悟りを開くこと。新たに作られた仏像などに魂を迎え入れ供養する儀式のことなどの意味です。
本来は、(かいげん)を読み誤ったものが(かいがん)とされていますが、両方の意味として物事のコツをつかむという意が含まれています。一般的には、開眼(かいげん)として用いられることが多いかと思いますが、この作品は開眼(かいがん)にて作品書きをしました。
世の中の不条理なことに一人でも多くの方が気づき、改め、道を正す。何を見て信じ、また見せられているのか。今を生きる一人ひとりに委ねられています。
〇出品作品「開眼」(半切サイズ)
栃木県独立書展

令和5年3月23日(木)~26日(日)までの4日間、第11回栃木県独立書展が栃木県総合文化センターにて開催されました。期間中、天候に恵まれない中も手島右卿先生の特別展示や独立書人団副理事長片岡重和先生による講演会が開催されるなど、たくさんの来場者の皆様にお越しいただきました。
今回の講師の作品は、「いろは歌」。いろは歌は仮名を重複させずに詠まれた47字による歌です。作者不明ですが、広く知れ渡っているこの歌を変体仮名メインとして書作品にしました。
この作品で最も時間を割いたのは、草稿です。変体仮名の文字調べを一つずつおこない構成を練る。草稿を書いて一枚作品を書き掲示して修正点を赤ペンで加えていく。これまでに数々の書作品を書いてきておりますが、今までで最も草稿を書き直した作品となりました。実際に作品を書いている時間よりも草稿や構成を練る時間のほうが長かったように感じます。歌に合わせてグリーンをメインとした表装にしました。仮名作品としては2作目。制作期間2か月。枚数80枚。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「いろは歌」
色は匂へど 散りぬるを 我が世誰ぞ
常ならむ 有為の奥山 今日越えて
浅き夢見じ 酔ひもせず
ーーーーーーーーーーーーーーーー
〇出品作品
「いろは歌」(60×180size)
第73回 独立書展

令和7年1月15日(水)~20日(月)までの期間、六本木国立新美術館にて第73回独立書展が開催されました。会場の関係でいつもより一週間開催期間が短縮となりましたが、連日たくさんの方々が会場へ足を運ばれていました。
今回の講師の作品は、「遷」です。
独立書展本展では、ここ最近一字書を出品していなかったので6年ぶりとなります。以前からこの素材を書いてみたいなと思っていました。最初は作品になりそうとの思いがありましたが、枚数を重ねるごとになぜか自分の理想とするものとはかけ離れ、むしろ遠ざかっているかのようにさえ感じていました。あまりにも書けず、筆を投げたくなる気持ちをグッとこらえていました。もうこれ以上でないかと思いながらこの一枚で最後にしようと思い筆をとりました。締切間近までねばり書いた最後の一枚です。一画目の滲みの色が異なるのは、下敷きがすでにクタクタの状態で書いたためにできたものです。
制作期間2か月半。枚数240枚。
〇出品作品「遷」(3.5×4.5サイズ)
準会員優秀作品
栃木県芸術祭

令和6年10月26日(土)~11月5日(火)までの期間、栃木県総合文化センターにて栃木県芸術祭美術展が開催されました。期間中、入賞者のギャラリートークもおこなわれ、各出品者からの一言、審査員の先生方による作品批評に多くの方々が熱心に耳を傾けていらっしゃいました。
今回の講師の作品は、「巻」。
草稿を描いている時から上部が大きな構成になってしまい、何とも面白味の無いズングリむっくりな作品書きをしていました。筆のサイズを1サイズ小さくし、草稿を描きなおし、上部を抑えて左斜め下の線を強調する構成へと変更。最終画は余韻を残してゆるやかに抜けていきたかったのですが、思うように離紙できませんでした。素材の文字が「巻」なので、巻きこみの線を取り入れた作品を考えていました。
私の中での巻物のカラーイメージは高貴な紫色ですが、一般的に古くからの巻物と言えば茶系が多いのではないでしょうか。制作期間2か月。枚数130枚くらい。
〇出品作品「巻」(90×120サイズ)