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展覧会

 開催予定の書道展情報をお届けいたします。
また、講師が出品している展覧会や書作品を会場にてご覧いただけます。

展覧会情報

・第56回 下野教育書道展
12月1日(金)~3日(日)
壬生町城址公園ホール
入場無料
9時~17時(最終日15時まで)
※銅賞までの作品展示。

・第72回 独立書展
1月11日(木)~21日(日)
六本木国立新美術館
入場無料
10時~18時(16日休館日)

2023年 独立選抜書展

 令和5年6月15日(木)~21日(水)までの期間、2023年独立選抜書展が上野公園東京都美術館にて開催されました。開催期間中には、久々のギャラリートークが行われました。会場では展示作品を見て回りメモを取りながら熱心に勉学に励まれている人の姿が印象的でした。

 今回の講師の作品は「里」。生まれ育った故郷は自然豊かな地に恵まれ、山、川、森林が広がる美しいところです。鳥のさえずりによって朝目覚めることができることは最高の贅沢です。食や観光地にも恵まれた環境が整っています。派手さは無くどこか控えめなところは県民性の象徴だと思います。素朴で目立つことは無いけれどあたたかさを感じられるような作品感を目指しました。もう一枚、最終的に候補で残った作品がありましたが、そちらの作品は動きのあるものでやや軽さが際立ってしまい、今回自分が目指す作品感とはそぐわなかったため却下としました。制作期間1ヵ月。枚数80枚。

〇出品作品「里」(3×4サイズ)準会員の部

第60回記念 栃木県書道連盟会員展

 令和5年5月26日(金)~29日(月)までの4日間、第60回栃木県書道連盟会員展が栃木県総合文化センターにて開催されました。今回は節目の60回記念展となり、記念イベントとしてギャラリートークや席上揮毫が開催され会場は多くの書道愛好家の皆さんにより賑わいをみせておりました。
 
 今回の講師の作品は「無聲」。無声なので、音や声を出さないこと。出ないことを意味していますが、これに加えて自分の声が届かなかったことへの無力さや苦しさ、悲しさと怒りが複雑に絡み合う悲痛な感情表現を書した作品。
 初期の草稿から二文字連綿を中心としての書き込み。後半では単体での作品書きを試みたが、素材と表現方法を考慮すると連綿による作品展開が最も適しているのではないかと思った。静かな入筆から中盤での展開を経て終盤へ。筆は合筆。一筆書きのため中盤の開ききった筆で後半の線を出すことに苦戦した。押印の位置は定番の位置では作品に合わなかったため下部へ。制作期間1か月半。枚数180枚。

〇出品作品「無聲」(半切サイズ)

栃木県独立書展

 令和5年3月23日(木)~26日(日)までの4日間、第11回栃木県独立書展が栃木県総合文化センターにて開催されました。期間中、天候に恵まれない中も手島右卿先生の特別展示や独立書人団副理事長片岡重和先生による講演会が開催されるなど、たくさんの来場者の皆様にお越しいただきました。

 今回の講師の作品は、「いろは歌」。いろは歌は仮名を重複させずに詠まれた47字による歌です。作者不明ですが、広く知れ渡っているこの歌を変体仮名メインとして書作品にしました。
 この作品で最も時間を割いたのは、草稿です。変体仮名の文字調べを一つずつおこない構成を練る。草稿を書いて一枚作品を書き掲示して修正点を赤ペンで加えていく。これまでに数々の書作品を書いてきておりますが、今までで最も草稿を書き直した作品となりました。実際に作品を書いている時間よりも草稿や構成を練る時間のほうが長かったように感じます。歌に合わせてグリーンをメインとした表装にしました。仮名作品としては2作目。制作期間2か月。枚数80枚。

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「いろは歌」
色は匂へど 散りぬるを 我が世誰ぞ 
常ならむ 有為の奥山 今日越えて
浅き夢見じ 酔ひもせず
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〇出品作品 
「いろは歌」(60×180size)

独立書展

 令和5年1月12日(木)~22日(日)までの期間、第71回独立書展が六本木国立新美術館にて開催されました。独立書人団は昭和の三筆手島右卿先生が発足された書道団体であり、個々人の独立した書人として作家意識を持った人たちによる新しい書の創造を理念とした書道展です。

 今回の講師の作品は、「鳥多閑暇花随四時」。(意味・鳥には暇が多くのどかに飛び交い、花は季節ごとに咲く。)漢字多字数書作品。

 「暇」からの作品展開を意識したが「随」が大きすぎた。入筆の角度が同じラインなため一考が必要。多字数書の場合、最後の文字はそのまま書くくらいが程よく終われるとのこと。「四」の右下に空間ができていたためより角度がついてしまった。制作期間2か月。枚数130枚。


〇出品作品
「鳥多閑暇花随四時」(90×240size)
準会員の部 優秀作品

栃木県芸術祭

  令和5年10月28日(土)~11月7日(火)までの期間、栃木県芸術祭が栃木県総合文化センターにて開催されました。

 今回の講師の作品は、「廻」(めぐる)。全てのものは絶えず生まれては移り変わっています。これは自然の流れと言えます。例え私たちの肉体がこの世からなくなってしまったとしても自然界にある山、川、海、森林などはこれからもずっとそこに居続けます。変わるのはその時代を生きている人たちの顔ぶれだけです。物事は止まらずに常に移り変わっていく。自然の摂理。
 初期に草稿として書いていた造形から様変わり。自分が予期せぬ最終作品となりました。紙を横に決めてからの造形展開が最も難しかった。廴に回の部分がぶつかってしまい重たい作品を何枚も書いて紙を無駄にしました。一本一本の線の方向性を意識。制作期間2か月。枚数130枚。

〇出品作品
「廻」(90×120size)