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最新のおしゃれな書道バック事情

最新のおしゃれな書道バック事情
(軽量化された書道用具たち)

書家

書家
片岡 青霞
プロフィール


 新年が明け早くも新小学3年生へ向けて学校からこのような案内が配られる季節が到来。書道セットの申込書である。最近の書道セットは私たちが幼かった頃とは大きく変わりバックのデザイン性がとても華やかなものが多いことに驚かされる。ファッション性も高く女の子は可愛くてゴージャスなものから男の子はスポーティーでカッコいいものなど。変わったのは見た目のバックのデザイン性だけではなく、中身の用具たちにも様々な変化が起こっている。今回は最新の書道バッグ事情に迫ってみようと思う。

個性豊かな書道バック

最新の書道バックデザイン一覧。

 「先生、こんにちは!」 元気な挨拶とともに今日も子どもたちがやってきた。いつもと変わらない書道教室でのお稽古風景。子ども達は皆書道バッグを片手に入室してくる。1クラス10人程度となっているが、同じバッグを持っている子同士を探すのが難しいくらい、皆それぞれに異なるデザインの書道バックを持っている。私が小学生の頃というのは、女の子は赤。 男の子は黒。バックの柄デザインなどは全て同じで選択肢も一切なく当たり前のように皆が同じ持ち物を所有していた。この当たり前とされてきた光景は今大きく様変わりしている。

  どのような書道セットの案内を学校からいただくのか収集してみたが、こちらに載せきれないものがたくさんあるといった現状。おしゃれなものからスポーツ、アニメ、ゲームキャラクター、ご当地キャラなど実に様々な書道バックが勢ぞろいしている。これだけたくさんの選択肢が用意されていると子どもたちには選ぶ楽しさがありとても嬉しい反面、たくさんありすぎて迷ってしまう子どももいるのではないだろうか。子ども自身がこれがいい!と言ったとしても、 親御さんからすると“これはちょっと…。” と思えるような書道バッグもあるかもしれない。書道バックというのは、一度購入すればそう頻繁に買い換えるものではない。 小学高学年や中学生になってもだいたいの方々が同じ書道バックを使用することとなる。そのため子どもが成長しても自分の持ち物として持つことができるものを親御さんは最大限に考えてあげているケースがほとんどとなる。実質、小学2年生の段階で自分の書道バックのデザインを決めることになるのだから、親御さんの少し先を見据えた意見と異なることも多い。ここは、親御さんの腕の見せどころとなるだろう。

 各書道メーカーは昔に比べて子どもたちの書道バックに力を入れていることは一目瞭然。一昔前の皆同じ書道バックから個性を生かした選択肢の幅が広がっている。

書道バックに付属する用具の変化

書道教室に通っているお子さんの中に、昔親御さんが使用していた書道セットを嘗てのまま持って来てくれている子が数名いる。書道バックもとても綺麗な状態であった。親から子へ受け継がれた石の硯。今では大変貴重なものとなっている。

 最新の書道バックで変わったのは見た目の華やかさだけではない。書道バックの中に附属する用具たちにも大きな変化が起こっている。書道バッグに付属している用具たちは一体どのような変化を遂げたのだろうか。

 例えば、 硯(すずり)。昔は石であったが今はプラスチックとなっている。昔の硯は海(墨をためておく箇所)が小さく、 確かに使い勝手が悪いように感じることがあるかもしれないが、どんなに小さくても子どもたちは石の硯を使用し書道のお稽古をしていた。石とプラスチックの違いの一つに筆に墨を含ませ硯で墨を切る時の感覚の違いがあるが、これが全く異なる。今はプラスチックが主流となっている。大きさも一回り大きくなり両面使用できるといった優れものである。

  文鎮。昔は重さがあったが、今は軽いものとなっている。文鎮の役割とは、書道で半紙を書く際に紙を抑えることを一番の目的としている。重さがあることで紙がズレたりすることがないようにある程度の重さが必要となるが、今の文鎮は軽量化され2つに分かれている文鎮が多い。半紙を書く上でもうまく紙を抑えられないこともあるため、展覧会や公募展へ向けて少し大きな作品書きとなるとさらに紙がズレて書きにくさを感じることがある。

  下敷き。昔は罫線なしが主流であったが、今はほとんどの下敷きが罫線入りとなっている。私が幼い頃は、罫線有りの下敷きは販売されておらず全員罫線無しの下敷きを使用し書道の作品を書いていたし、実際書けた。そんな昔の時代から今は罫線がなくては書けない子どもも増加している。感覚を磨くことは習字を習う上でとても大切な要素となるが、この部分が下敷きによって損なわれ可能性を示唆している。これに加えて下敷きの厚さも薄くペラペラなものとなってしまい、墨の吸収力や巻いた後のヨレが残るようになってしまっている。現代の書道バックの中身の用具たちはほとんどの物が軽量化され、大きな変化を遂げていることがわかるのではないだろうか。

軽量化された用具たち

「最近の書道バック軽いね!」

  書道店内で買い物中、こんな会話が耳に入ってきた。どうやら子どもが新しく習字を習いはじめるにあたり書道バッグを購入するため来店した親子の会話であった。誰もが子どもの頃、学校の授業で習字をやったことがあるため、数十年ぶりとは言っても書道バックを持った時の重さの違いを感じることができるのではないだろうか。“こんなに軽かったかな?” と首を傾げるお母さん。いくつかある書道バッグを持って見比べてみてもどれも同じような軽さのため、今の書道バックのスタンダードがこれであるということに納得している様子であった。重量感のある書道バッグを持ち学校を行き来したあの日が懐かしい。今では、学校用と習い事用で2つの書道バッグを購入し、わざわざ持って帰ってくることがないよう使い分けをしている子どももいるくらいである。 忘れ物なども防げることになるため賢い方法の一つであるかと思う。

 書道バッグが軽量化されたことで子ども達の負担も軽減されたというメリットはあるが、同時に本来の用具を知らない子供たちが増えているということにも繋がるためこれはこれで一考すべき点かと思う。

自分だけのお気に入り書道バックを持つことで得られること

一見書道バックとは思えないようなデザインの豊富さ。まずは格好から。書道が益々楽しくなること間違いなし!

 最新の書道バッグを学校で購入しようとすると、基本セット+希望 セットの注文方法となっている。 基本セットは、必ず書道で使用するもの。希望セットはなくても困らないが、欲しい方はどうぞ的なもの。価格は、基本セットのみで4500円ほど。ここに希望セットを数点加算していくと5000円を超える金額となっている。30年前、書道バッグをいくらで購入してくれたのかはさすがに覚えてはいないが、今から10年前の書道バックが1,980円の価格で販売されていたのは記憶に新しい。そう考えると、価格の変動は今や二倍以上。書道バッグ全体としては軽量化されているのに、昨今の物価上昇に伴い書道バックの価格は値上がりし続けているといった状況となっている。

 また、子どもの書道バッグの中には、5年保証が付与されているものがある。通常の使用で用具が壊れてしまった際は新品のものと取り替えが可能ということである。その他にも書道バックの内容動画紹介や学べる書道動画など盛りだくさんの特典がある。最新の書道バックはただおしゃれで華やかなものだけではなく、 価格に合わせて様々なサービスを各メーカーが用意してくれている。習字を学ぶなら自分のお気に入りの書道バッグを手にした方が物への愛着も生まれ気持ちも上がるのではないだろうか。習字に対する自分のモチベーションを持ち物からあげていくことはやる気にも繋がる。是非自分だけのお気に入りの書道バッグを見つけてみよう。

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