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夢の叶え方

夢の叶え方

(夢を叶える人の共通点とは)

書家

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片岡 青霞
プロフィール


 「私たちに、子どもらしく夢をもたせてください。私たち日本の子どもはみんなが理想とするかっこいい日本になってくれるのをずっと待っています。私たちはいつまて待てばいいのでしょうか。」2022年日本人初として国際子ども平和賞を受賞した川崎レナさん(当時17歳)のスピーチに衝撃が走った。その内容は、自分の生まれた国、日本に誇りを持てないことへの悔しさと怒りを世の大人へ訴えかける心からのスピーチであった。夢が叶うかどうか。どんな夢をもっているのか、夢の大きさと本人に委ねられる部分もあるかもしれないが、全ての人にとって夢を見ることは自由である。今この国では、夢を見ることや将来の展望が描けないそんな若者が多いとされている。それでも夢を叶えていく人たちにはどのような共通点があるのだろうか。今回は夢の叶え方について考察していこうと思う。

夢を叶える人がもっている「思いの強さ」

夢を叶える人は「思う」ではなく、「思いの強さ」がある人。photo by Pexels

 はじめに、今回は夢の叶え方について話をしていくが夢をもっていないといけないとか、必ず全員夢をもちましょう。という内容の話ではない。夢とは将来自分のやりたいこととも言い換えることができるが、ほとんどの場合やりたいことがわからない、生涯において特にやりたいことはないという人のほうが圧倒的に多い。夢をもっている人のことを素晴らしいとは感じるが、だからといって偉いということはない。上も下も無い。ここでは、夢を叶えている人とはどのような人物なのか、夢の叶え方に関してスポットをあてる。

 夢を叶えるうえで年齢は問わない。子どもも大人も夢をもって生きている人は世の中にたくさんいる。年齢で遅いということはないが、早いに越したことは言うまでもない。早くスタートを切った者程、たくさんの失敗を経験でき、再起するための期間は年齢がカバーしてくれるためとなる。若いうちは資金が無いかもしれないが、夢がある人間は内から湧き起こる燃えるような情熱やエネルギーをもっている。若ければ尚のこと年齢はエネルギー源となる。

 夢を叶えていく人の共通点を一つあげるとすれば、「思いの強さ」と答える。「思う」ではなく「思いの強さ」である。夢を叶えたいと思うことは誰にでもできる。「思う」ということは簡単であるがどこか浮ついていて軽い。たまに思うことはあるが時間と共に自然と忘れてしまうといった感じだろうか。一方、「思いの強さ」となると一味も二味も異なる。諦めきれないくらいの情熱をもち合わせ、寝ても覚めても忘れることができず、睡眠中の夢にまで出てくるような状態。例え周囲の人にネガティブな言葉を言われても、夢を叶える人はマイナスをプラスのエネルギーに変えてしまう力をもっている。そんな人々にとって、“その夢は叶わない、無理だ!”という言葉は大好物。負の感情や怒りでさえも全てを原動力へと転換することができる。情熱や闘争心を内に秘め、何が何でもやり切る「思いの強さ」をもち合わせている。
 射撃で言えば既に的を捉え射程圏内に入っているような状態である。頭の中ではすでに夢が完結し描き終わっている。叶わなかった時のことは考えていない。もしダメだったらの万が一のために誰もが備えたい後ろ盾は用意しない。力は一点に集中させることで効力を発揮するため、もしもの時のことを考えればそちら側へ余計な力を注ぐこととなる。その結果、夢から益々遠のいていく。夢を叶える人の頭の中を覗くことはできないが、似たような感覚をもち合わせている。夢に対する「思いの強さ」で叶うかどうかが決まると言っても過言ではない。夢の実現化は、すでにスタートの時点で半分決まっている。

偏りのあるワークライフバランス

ワークライバランスとは、仕事と生活(健康、家族、お金、自己啓発、趣味など)ひとりの人がどのような割合で自分の時間を分けているかということ。
結果を出す人は、100:0で振りきる。

 世の中に夢を叶える人とそうでない人がいるのであれば、そこには何か違いがあるのではないだろうか。それはもって生まれた能力か、才能か、それとも運なのか。どれも少なからず影響はあるかもしれないが、人間が生まれながらにしてもち合わせている力は超天才を除きさほど差は無いと考えている。

 では、人生におけるワークライフバランスはどうだろうか。ワークライフバランスとは、仕事と生活のバランスが取れた状態のことで、自分の時間を仕事とそれ以外の生活(健康、家族、お金、自己啓発、趣味など)どのような割合で分けているかということを示したものである。仕事は生活を支えるために必要なものでありやりがいを感じさせてくれるものではあるが、 家族や趣味などプライベートの時間も充実した人生を送るうえでは欠かすことができない大切な要素となっている。

  夢を叶える人とそうでない人におけるワークライフバランスの割合はどうだろうか。ここには明らかに大きな差が出る。多くの人がバランスをとることは良いことだと教わってきた。しかし、夢を掴みにいく人々にとっては時にこのバランスという言葉が重くのしかかることがある。結論として、夢を叶える人は、ある一定期間極端なほどまでに偏りのあるワークライフバランスを展開している人がほとんどとなっている。

昨今では、日本人のメジャー活躍も珍しいものではなくなった。彼らは私たちが知らないところで、一体どのような時間の使い方をしてきたのだろうか。photo by Pexels

 例えば、将来プロ野球選手になりたい場合。夢を叶える人は仕事100、生活0としたワークライフバランスを送っている。プロ野球選手になるためには、当然ながら野球において頭角を出さなければいけない。そのために徹底した練習を日々行う。しかし、それだけではプロ野球選手にはなれない。プロスポーツ選手であれば、食事管理、健康、良質な睡眠といった身体作りやメンテナンス、ケアなども同時にしていくことになる。また、活躍の場を米国としているのであれば、チームメイトとのコミュニケーションのために語学の勉強も必要となる。このように、本来のワークライフバランスで言えば、食事管理、健康、睡眠、語学は生活(ライフ)の部分となるが、将来プロ野球選手を目指す人にとっては、これら全てがプロ野球選手という仕事(ワーク)に直接的な影響を与えるためライフがワークへと分類されるようになるのである。あくまでも、将来目指すべきプロ野球選手になるためにそれらに必要な土台作りとしての生活(ライフ)があると考えている。なので、仕事100となる。これは、プロ野球選手になるという仕事(ワーク)に全振りをしている。目指すものが明確なため、野球に関することに一日の時間の大半が注がれている。すべては将来プロ野球選手になるために徹底されている。

 一方、夢が叶わない人は全てのバランスを均等に取りたがる。夢があり叶えたいとは思ってはいるが、そこまでの「思いの強さ」は無い。幸せのためにはバランスが大切だとどこかで聞いたで、皆と同じようにバランスを取ることがいいことだと考えている。異論は無い。皆が幸せになるためにこの世に生まれてきたのだからとても大切なことだと考える。しかし、それでは夢を叶えることは難しい。なぜなら、夢を叶える人は100:0を取ってくるからである。野球に費やす時間が、自分20:相手100の場合を考えてみてほしい。この状態で自分の夢は叶うだろうか。手が届くだろうか。将来プロ野球選手になりたいとは思ってはいるけれど、友達とも遊びたい。野球も好きだけれど、他にもたくさんの趣味がある。力が分散し中途半端になるからこそ中途半端な結果が手に入る。人生の目的や目標を曖昧にすると曖昧な人生を送ってしまう。良くも悪くもハッキリすることができれば、ハッキリしたものが手に入る。まずは、ハッキリすることである。

 夢を叶える人が、100:0といってもずっとこの状態を継続するということではなく、ある一定期間全力でここを走り切り先に100を取りにいくというイメージである。特にプロスポーツ選手ともなれば、現役で活躍できる年齢は限られている。夢を叶える人は、ダラダラと力を分散させること程時間を無駄にし結果が出ないことを理解している。そのため、ある一定期間100:0を全力で取りにいくことができる。最初に全力で振り切り、仕事(ワーク)での結果が出た後から自分に必要な生活(ライフ)の充実をはかる。夢を叶える人はまず何から着手すべきか明確に順番が決まっている。

もっと私たちに夢を見せて

世界では6人に1人。日本では7人に1人の子どもが貧困状態にあるとされている。photo by photoAC

 2022年。日本人初として国際子ども平和賞を受賞した川崎レナさん(当時17歳)のスピーチの一部を紹介しよう。

一一一一

 私がこの活動をはじめたきっかけは悔しさでした。変わりそうにない日本。自分の生まれた国、日本に誇りをもてないことについてとても悔しさを感じました。 
 私たち日本の若者は政治離れの世代だと言われていますが、日本の若者は政治に興味がないのではなく、政治を信頼する理由、投票する理由が今はまだ見つからないことが多いのです。差別発言、議会中の居眠りなどを繰り返す様子が日々放送されています。このようなことをする政治家のみなさんばかりではないのはわかっています。市民の声を最初から聞いてくれないように見える日本の政治に誰が協力しようとするのでしょうか。(省略)政党や思想関係なくその普通を取り戻そうとしてくれる大人たちがいる限り日本は私が誇れる国になれるはずです。政治家のみなさん、私の発言は実現性がないでしょうか。理想的すぎるでしょうか。

 私たち若者は見るはずではなかったつらい悔しい日本の現実を見てきています。それでも理想や希望をまだもっています。政治家になる前にかっこいい大人になってください。私たちに子どもらしく夢をもたせてください。私たち日本の子どもはみんなが理想とするかっこいい日本になってくれるのをずっと待っています。私たちはいつまて待てばいいのでしょうか。


国際子ども平和賞を受賞
川崎レナ

一一一一

 私たちのこの国は、今大きく変わろうとしています。福沢諭吉の学問のススメには、国の政治が良くならないのは、国民一人ひとりが学を高めていないことにあるということが明記されています。学ばない国民がいることで上級国民はやりたい放題が可能となり、政治が荒れ世の中がダメになるという仕組みです。国民一人ひとりが世の中への学を高めていけば、様々なことに気づき声を上げることができますが、今の日本においてははるか遠い昔話のように思えてなりません。国民が賢く学を高めてしまっては国としては困ります。理由は、上級国民が好き勝手にできなくなるためです。いつまでも自分たちだけに得があり、さまざまなことが見逃される世の中の仕組みさえあればそれでいいのです。大人一人ひとりが世の中を学ばなかった代償が今のこの日本であり、その矛先は子どもたちに向いています。全ては学びを放棄した大人たちの問題であるということです。

夢を叶えたい人へ

あなたの夢を叶える姿を見て誰かの心に明かりが点灯したかもしれない。“誰かが誰かに影響をあたえている。”photo by Pexels

 この国で夢を見て叶えていくにはどうすればいいのか。日本が抱える問題は多岐にわたるが、どんなに時代が進んでも原理原則はこれからも変わりません。時代や他責にすることは簡単ですが、当然ながら夢をもつ人々にとっては到底納得できません。いかなる状況や環境であっても自分が先陣を切る。この「思いの強さ」を内に熱く秘めた人の中から夢への道は開かれる。まるで根性論のように聞こえるかもしれないが、思いが強くなければ根性も出ない。夢を叶えていく人は、表立って人前で「思いの強さ」を出すことはありません。これは、とても強烈なものなので自分の内に隠しているケースがほとんどだからです。自分のことを心底突き動かす情熱は、全ての原動力となる。「思いの強さ」は全ての源となっている。

 これから夢を叶えたい人たちへ。今、私たちが生きているこの世の中は一体どのような仕組みになっているのかということを深く学び把握する必要があります。世界と日本について理解すること。今、この国は何をしているのか。一体どこへ向かっているのか。ほんの少し先の未来はどのようになっているだろうか。学ばなければ健康と命さえ簡単に搾取される時代を私たちは生きている。自分のために頑張ってきたことが、いつか巡り巡って誰か人のためになることがある。だからこそ夢がある人は自分のために頑張ってほしい。自分のためでいい。やがて、人のためになる。

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