子どもと大人の習い事調査!最も長く続いた習い事の継続期間
(長く続けやすい習い事とは。)
書家
片岡 青霞
プロフィール
習い事をはじめてみたい。あなたも一度は何かしらの習い事をした経験があるのではないだろうか。一昔前の習い事といえば、水泳、ピアノ、習字、そろばん。習い事の定番は大方決まっていた。しかし、昨今では選択肢の幅が増えさまざまな習い事をすることが可能となっている。いくつかの習い事をはじめてみて長期間続いたものもあれば、短期間で終えてしまったものもあるだろう。習い事をはじめた人はどのくらいの期間継続しているのだろうか。また、習い事の中にははじめると長く続けやすいものも存在していることがわかった。今回は子どもと大人それぞれにおいて、周囲の人々はどのくらいの期間習い事を継続しているのかということについて迫ってみたいと思う。
子どもが継続中の習い事と期間
子どもの習い事に関する継続期間を調べてみると、ベネッセの調査結果に辿り着いた。アンケート調査は2016年と少し古いものとなるが、子どもを対象とした習い事に関するものとして参考になるのではないかと思う。子どもに関しては、現役としてはじめた習い事を今もなお継続しているお子さんが多いことから、これまでに最も長く継続した習い事の調査はできていない。そのため、はじめた習い事をどのぐらいの期間継続中であるかという観点で捉えていただければと思う。
子どもを対象に、“習い事をどのくらいの期間続けていますか?” という問いに対し、6年以上継続していると回答した習い事の上位は、1位「 音楽」 2位「英語教室・ 英会話」 3位「 水泳」であった。音楽は7割でトップ。 英語教室・ 英会話は5割。水泳、 サッカー、習字は3割となっている。 個人的に携わっている習字がランクインしていることは嬉しいことである。
音楽が他を突き放し断トツストップとなっている理由は何か。私自身も幼少〜中学生までエレクトーンを習っていたことがあるが、このグラフに当てはまり6年以上継続した習い事の一つとなっている。音楽を習いはじめる理由として、音感やリズムを体得し耳でメロディーを聴く力や手先を動かすことで脳の働きをアップさせる効果があるとされている。特に音感に関しては早期にはじめることでより身につけることができるかどうかが左右されるため、幼少の頃からはじめるお子さんが多い。また、音楽は楽器を使用するため楽器を購入し自宅で練習する頻度も増える。ピアノやエレクトーンの楽器も一昔前から価格は下がっているが、それでも初期投資としては金銭がかかるものとなっている。初期投資が他よりもかかるものを簡単に手放されてしまっては、親御さんとしても困り果ててしまうことだろう。これに加えて、楽器を演奏できるようになるまでに一定の年数が掛かる。これらの理由から、習い事として音楽をはじめると継続年数も長くなる傾向であることがわかる。
大人のこれまで最も長く続いた習い事の継続期間
一方、 大人の習い事を覗いてみよう。人生をより長く生きている大人のこれまで最も長く続いた習い事と継続期間はいかほどか。株式会社リザーブリンクがおこなった大人の習い事に関する調査はこのような結果となった。
大人を対象にこれまで最も長く続いた習い事の継続期間を聞いてみた結果、「 4年以上10年未満」 41.2%、次いで「 1年以上3年以内」 24.2%となった。円グラフからもわかるように、これまで4年以上継続した習い事があると回答した大人が過半数を超えていた。また、最も長く続いた習い事は、1位「 語学・ 外国語」2位「楽器」 3位「 書道・ ペン字」であった。これらの順位を比較してみると、子どもと大人の長く継続している習い事は大まか同じであることがわかった。
1位の語学においては、小学生から英語は必須科目となっており大人になっても仕事で使用する人もいるかもしれない。仮に大人になってからどんな職に携わるか今の段階でわからなかったとしても、英語が話せるというだけで職業選択の幅は大きく広がる。例えば、日本という国に住まなくても語学ができるというだけで住まいの対象は世界とすることさえ可能である。暮らしや人生に役立つということで語学の素晴らしさや重要性を子どもも大人も感じる人が多いことがわかる。
また、大人の習い事となると世の中には強者が存在していることが判明した。アンケートで習い事を10年以上継続していると回答した人の中には、料理教室15年、ヨガ 25年、水泳56年という人もいたのである。56年間泳ぎ続けている人のことを想像してみてほしい。 スペシャリストと言わず何と言えばいいのだろうか。極まっている。の一言に尽きる。
我が家のルール。習い事は2つまで。
子どもの頃、我が家には習い事は2つまでのルールがあった。今から30年前となると同級生でもそんなにたくさんの習い事をしている子は居らず、ごく一般的な習い事の数であったと把握している。
子どもの頃に経験した習い事は3つ。エレクトーン、水泳、習字である。はじめての習い事は年長さんの時のエレクトーンと水泳。近所の友達がピアノではなくエレクトーンを習っていたことがきっかけとなる。その様子を何度か見に行き気づけば親にエレクトーンの購入を懇願していた。もう一つは水泳。近所の幼馴染の子と一緒に通いはじめた。通称イトマン。(イトマンスイミング)。赤帽子のバタ足からはじまり、ビート板、クロール、背泳ぎ、平泳ぎ、バタフライの泳ぎを覚えていく。運動神経は良好なほうだったため毎月の試験で順調に級はあがっていった。小学3年生ながらバタフライ50mを何本も泳がされていたことを鮮明に覚えているが、練習は相当ハードなものへと切り替わりかなりキツイものへとなっていった。ある時、これ以降はどれだけ速く泳げるかの選手コースの案内を受けた。…が、しかし。小3にして水泳選手になりたいと思っていなかった私は、並大抵に泳げればそれでいいと思っていたため辞め時を感じていた。そんな時習字との出会いがあった。出会いとは絶好のタイミングでやってくるものだとその時改めて思った。水泳も切りがよかったため小3学年末まで継続し、小4年から新たに習字を習いはじめた。
水泳4年。エレクトーン10年。書道30年。(継続中)。これまでの自身の習い事を振り返るとデータと同様。平均もしくはそれ以上の継続期間であることがわかった。
最適化を見抜くために必要な観察力
子どもと大人の習い事に関して、継続期間と最も長く続いた習い事は大まか同じデータであることがわかった。習い事の継続期間としては4〜10年が最多。長く続けた習い事として、「音楽(楽器)」「語学・英会話」「スポーツ」「習字」が上位を占めた。このデータを当教室のこれまでの生徒さんの継続年数と照らし合わせてみても納得のいくものとなっているため、より信憑性を得た結果であると感じることができている。
これらのデータを見て、自分のこれまでの習い事継続期間はいかほどか。はじめた習い事を何か一つでも平均もしくはそれ以上に継続しているものはあるだろうか。それともあまり継続できていなかったと感じる結果であっただろうか。
昔と今で習い事として大きく変わったことの一つに、選択肢の幅が広がったことがあげられる。選択肢が増えたことにより選ぶ楽しみができた一方で、自分にとって何が最適であるのかを選択する難しさも同時に増えたのではないだろうか。最適なものを見つけるという作業は意外と簡単ではない。自分という人間をよく知り、多くのものに触れ体験することでしか最適化を見つけ出すことはできない。これには、親御さんの手助けが必要となる。子どもが何に興味関心を抱いているのかよく観察し、子どもが示すサインを見逃さないこと。好きなものであるからこそ夢中になれる。たかが習い事。されど習い事。時に、自分の人生さえも大きく変えてしまうかもしれない。習い事には秘めた力がある。自分の可能性に触れてみよう。